特定技能「自動車整備」で外国人を受け入れるための基礎知識
慢性的な人手不足から、特定技能外国人の採用を検討されている自動車整備を営む事業者は年々増加しています。
この記事では、特定技能「自動車整備」で外国人の雇用を検討されている事業者様へ、制度概要や雇用の流れ等について解説していきます。
(参考)国土交通省:自動車整備分野における新たな外国人材の受入れ
特定技能「自動車整備」で可能な業務内容とは
特定技能「自動車整備」で認められる業務の内容は、以下のとおりです。
1号特定技能外国人が従事する業務内容
1号特定技能外国人は、試験等で確認された技能を用いて、自動車の「日常点検整備」、「定期点検整備」、「特定整備」又は「特定整備に付随する業務」の基礎的な業務に従事することができます。
2号特定技能外国人が従事する業務内容
2号特定技能外国人は、上記に記載した一般的な業務に従事し、他の要員への指導を行う業務を行うことが求められます。
関連業務について
上記の業務内容を主たる業務としている場合で、その事業所で従事している日本人が通常従事しているような関連業務には、付随的に従事することができます。
ただし、あくまでも付随業務であり、主に従事することができるわけではありません。
付随業務例
- 整備内容の説明及び関連部品の販売
- 部品番号検索・部内発注作業
- ナビ・ETC等の電装品の取付作業
- 洗車作業
- 下廻り塗装作業
- 車内清掃作業
- 構内清掃作業
- 部品等運搬作業
- 設備機器等清掃作業
特定技能「自動車整備」で外国人を雇用するには
外国人本人が満たすべき要件
1号特定技能外国人
特定技能1号の在留資格で受け入れる外国人は、技能試験と日本語試験に合格する必要があります。
また、当該分野の第2号技能実習を良好に修了した者は、特定技能1号に移行することができ、上記の試験が免除されます。
当該分野以外の技能実習2号を良好に修了した者については 、国際交流基金日本語基礎テスト及び日本語能力試験(N4以上)のいずれも免除されますが 、技能試験は免除されません。
2号特定技能外国人
特定技能2号の在留資格で受け入れる外国人は、技能試験の合格に加えて、道路運送車両法第 78条第1項に基づく地方運輸局長の認証を受けた事業場における3年以上の実務経験が必要となります。
この場合の実務経験とは分解、点検、調整等の整備作業をいい、具体的には以下の作業となります。
- 道路運送車両法施行規則(昭和 26 年運輸省令第 74 号)第3条に規定する特定整備に係る作業
- 電子制御装置の整備、板金塗装等の特定整備に付随する整備作業
- キャブレータ、インジェクション・ポンプ等の主要な装置の点検、調整等の整備作業
- 自動車の装置、主要部品等の交換を行う整備作業
- 自動車の装置、主要部品等に係る点検、調整等の整備作業
- 上記に掲げるものと同等の自動車の点検、調整等の整備作業
試験内容
特定技能1号 | 特定技能2号 | |
---|---|---|
技能試験 | 自動車整備分野特定技能評価試験、又は、自動車整備士技能検定試験3級 | 自動車整備分野特定技能2号評価試験、又は、自動車整備士技能検定試験2級 |
日本語試験 |
| なし |
受け入れ側の事業者が満たすべき要件
受け入れ側の事業者は、特定技能の受入れ機関として、以下の要件に適合する必要があります。
すべての特定技能分野の事業者に共通する要件
すべての特定技能分野の事業者に共通する基準が以下になります。
- 外国人と結ぶ雇用契約が適切であること
- 受入れ機関自体が適切であること
- 外国人を支援する体制があること
- 外国人を支援する計画が適切であること
この基準について詳しくは、 こちら をご参照ください。
自動車整備分野特有の事業者が満たすべき要件
さらに、この基準に加えて、自動車整備分野特有の企業が満たすべき要件として以下が挙げられます。
- 地方運輸局長の認証を受けた事業場を有すること
-
特定技能外国人を受け入れる事業者は道路運送車両法(昭和26年法律第185号)第78条第1項に基づき地方運輸局長から認証を受けた事業場を有することが求められます。
- 自動車整備分野特定技能協議会に加入し必要な協力を行うこと
-
特定技能「自動車整備」では、特定技能外国人を受け入れる事業者は、国土交通省が設置する自動車整備分野特定技能協議会に加入し、加入後は、協議会に対し、必要な協力を行うなどしなければなりません。
また、特定技能外国人の2人目以降の受け入れ時(1人目を受入れて4ヶ月経過していない場合は除く)には、在留資格の申請手続の際に協議会の構成員であることの証明書の提出が必要になります。
これらの届出や協議会に対する必要な協力を怠ると在留資格の要件を満たさなくなり、外国人の受入れができなくなる可能性があるので、必ず行うようにしましょう
- 国土交通省による調査、指導等に対する協力すること
-
事業者は、自動車整備分野への特定技能外国人の受け入れに関し、国土交通省が行う必要な調査、指導情報の収集、意見の聴取その他業務に対して必要な協力を行わなければなりません。
特定技能「自動車整備」で外国人の雇用を検討されるときは
冒頭でも述べましたが、自動車整備分野では、特定技能外国人の採用を検討されている事業者は年々増加しています。
特定技能制度は、整備士の人手不足を解消するための重要な手段の一つになっており、労働環境や待遇を整えて優秀な特定技能外国人を採用できれば、事業の安定的運営につながります。
また、特定技能制度2号の分野拡充もあり、外国人にとっても日本に滞在する制度が整いつつあります。
行政書士アット法務事務所は、特定技能ビザ申請のサポートを行っておりますので、特定技能外国人の受け入れを検討されている事業者様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
お早めに専門家にご相談ください
人材不足により、特定技能外国人の雇用に踏み切ることは事業者様にとっても大きな決断となります。
自社にとって本当に最適な選択なのか、そもそも検討している業務で特定技能外国人を雇用することは可能なのか等、不安や疑問な点もあることかと思います。
行政書士アット法務事務所では受け入れを検討する段階から、事業者様にとって最適な決断をするためのサポートを行っております。
まずはお気軽にお問い合わせください。