特定技能1号と2号の違い
在留資格「特定技能」には、1号と2号があります。
特定技能1号には12分野ありますが、特定技能2号については、2023年6月に受け入れ分野の拡大が発表されるまでは、建設と造船・船用工業の2分野のみでした。
その後、この受け入れ分野拡大により、特定技能2号での受入れ対象は、16分野のうち以下の11分野になりました。
- ビルクリーニング分野
- 工業製品製造業分野
- 建設分野
- 造船・舶用工業分野
- 自動車整備分野
- 航空分野
- 宿泊分野
- 農業分野
- 漁業分野
- 飲食料品製造業分
- 外食業分野
特定技能1号と2号の違い
特定技能1号と2号は、在留期間、技能水準、日本語能力、家族帯同、支援計画において、以下のとおり異なります。
特定技能1号 | 特定技能2号 | |
---|---|---|
① 在留期間 | 通算5年まで | 上限なし |
② 技能水準 | 相当程度知識または経験を必要とする技能 | 熟練した技能 |
③ 日本語能力 | 試験で確認 | 確認不要 |
④ 家族帯同 | 原則不可 | 可能 |
⑤ 支援計画 | 必要 | 不要 |
① 在留期間
特定技能1号は、通算で5年までしか滞在できません。
過去に特定技能で在留していた外国人を雇用する場合には、年数に注意が必要です。
年数を超えて日本に滞在したい外国人は、特定技能2号へ移行するか、その他の変更可能な在留資格に切り替える必要があります。
特定技能2号には在留期間に上限はないため、長く日本に滞在することが可能となります。
② 技能水準
外国人に求められる技能水準は、2号のほうがより高い水準であることがわかります。
具体的には、各分野ごとに設けられた試験によって技能水準を判断します。(技能実習2号を良好に修了した者は、特定技能1号の試験は免除されます。)
特定技能2号は、現場での実務経験や指導経験等も求められるので、1号で経験を積んでから2号に切り替えるケースが多いと考えられます。
③ 日本語能力
特定技能1号は、日本語能力を試験によって確認します。
日本語能力試験(JLPT)のN4レベル以上、もしくは国際交流基金日本語基礎テスト(JFT)のA2レベル以上が求められます。(技能実習2号を良好に修了した者は、日本語能力の確認は免除されます。)
特定技能2号は、日本語能力の確認はありません。
④ 家族帯同
特定技能1号は、原則として家族帯同は不可となります。
ただし、例外として、特定技能1号を取得する前の在留資格で家族を帯同させ日本に滞在していた場合には、特定技能1号に切り替えた後も、その家族は引き続き帯同することができます。
特定技能2号は、家族の帯同が認められますので、家族滞在の在留期間で配偶者や子と日本で生活が可能です。
⑤ 支援計画
1号特定技能外国人を受け入れるためには、受入れ機関は支援計画を定め、適切に実施し、生活支援等のサポートすることが求められます。
2号特定技能外国人の受け入れは、支援不要となります。
❶ 事前ガイダンス、❷ 出入国する際の送迎、❸ 住居確保・生活に必要な契約支援、❹ 生活オリエンテーション、❺ 公的手続等への同行、❻ 日本語学習の機会の提供、❼ 相談・苦情への対応、❽ 日本人との交流促進、❾ 転職支援(人員整理等の場合)、❿ 定期的な面談・行政機関への通報
この支援計画を自社で実施するためには、過去に外国人の受入れ実績があることや、社内で支援可能な体制が整っているか等の要件を満たしている必要があります。
要件を満たしていない場合や、自社で支援することが困難な場合には、登録支援機関へ一部または全ての支援を委託をすることができます。
登録支援機関とは、1号特定技能外国人を受け入れている機関から委託を受けて、支援計画の全部の実施を行う者のことをいいます。
1号特定技能外国人を受け入れるにあたり、自社ですべて支援することができない企業も多いです。
登録支援機関は、そのような企業のサポートすることができる重要な機関です。
登録支援機関について詳しくは、 こちらの記事をご参照ください。
メリットが多い特定技能2号
上記のとおり、特定技能2号は、日本に在留したい外国人にとってメリットの多い在留資格といえます。
これ以外のメリットとして、永住権の取得要件として、10年在留しているうちの5年間は就労系の在留資格、または、居住資格で在留しなければならないとされていますが、この就労系の在留資格には特定技能第2号は含まれますが、1号は含まれません。
特定技能2号は、受入れ分野が拡大されたばかりで前例は少ないものの、今後注目される在留資格となると思われます。
特定技能ビザのことでお困りのときは
特定技能ビザによって特定技能外国人を受け入れる際には、各分野に必要な第1号・第2号の試験内容や従事できる業務などを理解して、適切に手続を進める必要があります。
行政書士アット法務事務所では、事業者様が受け入れを検討する段階からサポートを行い、どの分野の1号・2号の特定技能外国人の受け入れについても対応可能ですので、お悩みの際はお気軽にお問い合わせください。
お早めに専門家にご相談ください
人材不足により、特定技能外国人の雇用に踏み切ることは事業者様にとっても大きな決断となります。
自社にとって本当に最適な選択なのか、そもそも検討している業務で特定技能外国人を雇用することは可能なのか等、不安や疑問な点もあることかと思います。
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まずはお気軽にお問い合わせください。