特定技能「木材産業」で外国人を受け入れるための基礎知識
慢性的な人手不足から、現場の人材確保のために特定技能外国人の採用を検討されている事業者は年々増加しています。
この記事では、特定技能「木材産業」で外国人の雇用を検討されている事業者様へ、制度概要や雇用の流れ等について解説していきます。
参考)林野庁:木材産業における外国人材の受入れ
特定技能「木材産業」で可能な業務内容とは
特定技能外国人が従事する業務
特定技能「木材産業」では、1号特定技能外国人を対象としており、認められている業務の内容は製材業、合板製造業等に係る木材加工等です。
関連業務について
上記の業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務に付随的に従事することは差し支えありません。
なお 、 関連業務に当たり得るものとして 、 例えば 、 次のものが想定されます。
- 原材料(原木・資材等)の調達・受け入れに係る作業
- 製品の検査工程に係る作業
- 製品の出荷に係る作業(運搬・梱包・積込み等)
- 作業場所の整理整頓や清掃
- 事業所の清掃作業
ただし、もっぱら関連業務に従事することは認められません。
特定技能外国人を受け入れられる事業者・事業所
外国人が活動を行う事業所は、日本標準産業分類( 総務省:分類項目名、説明及び内容例示 )に掲げる産業のうち、次のいずれかに掲げるものを行っている(※注)ことが必要となります。
- 小分類121 製材業、木製品製造業
- 細分類1222 合板製造業
- 細分類1223 集成材製造業
- 細分類1224 建築用木製組立材料製造業(=プレカット製造業)
- 細分類1227 銘木製造業
- 細分類1228 床板製造業
※注 「いずれかに掲げるものを行っている」とは、特定技能外国人が業務に従事する事業所において、上記1~6に係る製品の製造加工を行っていることをいい、他の業者の所有に属する原材料に加工処理を加えて加工賃を受け取る賃加工業も対象となります。
なお、単に製品の選別や包装の作業を行う事業所は製造業には該当しないことから、対象には含まれません。
特定技能「木材産業」で外国人を雇用するには
外国人本人が満たすべき要件
- 木材産業分野において特定技能1号の在留資格で受け入れる外国人は 、以下の表の技能試験及び日本語試験の合格が必要となります。
- 木材産業分野においては、特定技能2号での受入れを行うことはできません。
特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領から抜粋(木材産業分野の基準について/法務省・農林水産省編)
表をクリックすると拡大します
受け入れ側の事業者が満たすべき要件
受け入れ側の事業者は、特定技能の受入れ機関として、以下の要件に適合する必要があります。
すべての特定技能分野の事業者に共通する要件
すべての特定技能分野の事業者に共通する基準が以下になります。
- 外国人と結ぶ雇用契約が適切であること
- 受入れ機関自体が適切であること
- 外国人を支援する体制があること
- 外国人を支援する計画が適切であること
この基準について詳しくは、 こちら をご参照ください。
木材産業特有の事業者が満たすべき要件
さらに、この基準に加えて、木材産業分野特有の企業が満たすべき要件として以下が挙げられます。
- 木材産業特定技能協議会に加入し必要な協力を行うこと
- 農林水産省による調査、指導等に対する協力すること
- 木材産業特定技能協議会に加入し必要な協力を行うこと
-
特定技能「木材産業」では、特定技能外国人を受け入れる事業者は、農林水産省が設置する木材産業特定技能協議会に加入し、加入後は、協議会に対し、必要な協力を行うなどしなければなりません。
また、在留資格特定技能の申請手続の際に協議会の構成員であることの証明書の提出が必要になります。
これらの届出や協議会に対する必要な協力を怠ると在留資格の要件を満たさなくなり、外国人の受入れができなくなる可能性があるので、必ず行うようにしましょう
- 農林水産省による調査、指導等に対する協力すること
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事業者は、木材産業分野への特定技能外国人の受け入れに関し、農林水産省が行う必要な調査、指導情報の収集、意見の聴取その他業務に対して必要な協力を行わなければなりません。
特定技能「木材産業」で外国人の雇用を検討されるときは
木材産業分野は令和6年の閣議決定で新たに追加された新しい分野で、事例が少ないこともあり、自社のみで雇用に関する全ての手続を完結させることが不安な事業者様も多いと思います。
しかし、特定技能制度は、人手不足を解消するための重要な手段の一つになっており、労働環境や待遇を整えて優秀な特定技能外国人を採用できれば、事業の安定的運営につながることも確かです。
行政書士アット法務事務所は、特定技能ビザ申請のサポートを行っておりますので、特定技能外国人の受け入れを検討されている事業者様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
お早めに専門家にご相談ください
人材不足により、特定技能外国人の雇用に踏み切ることは事業者様にとっても大きな決断となります。
自社にとって本当に最適な選択なのか、そもそも検討している業務で特定技能外国人を雇用することは可能なのか等、不安や疑問な点もあることかと思います。
行政書士アット法務事務所では受け入れを検討する段階から、事業者様にとって最適な決断をするためのサポートを行っております。
まずはお気軽にお問い合わせください。