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技能実習制度を廃止し、新たに育成就労制度を設ける改正案が衆議院で可決されました【参議院でも可決されました】

育成就労制度

5月21日の衆議院本会議で、技能実習制度を廃止して、新たに育成就労制度を設ける出入国管理法などの改正案が可決されました。
今後、参議院での審議を経て今国会で成立する見通しです。

6月14日の参議院本会議で可決されました。改正法は、3年後の2027年までに施行されるということです。

この記事では、現時点でわかっている育成就労制度について、解説していきます。

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技能実習生制度の廃止の背景

技能実習生

技能実習生制度は、開発途上国への協力という「国際貢献のための制度」として設けられた在留資格でしたが、実際には日本の労働力不足を補うかたちで活用されているという実態でした。
これに対しては、本来の目的から逸脱しているとの批判も強くありました。

また、中には技能実習生への人権侵害や労働法違反、不適切な労働環境を強いる等の問題も存在し、近年は失踪する技能実習生が増加する傾向にありました。

(参考)出入国在留管理庁:技能実習生の失踪者数の推移(平成25年~令和4年)

そこで、政府は新たな外国人労働者を受け入れる制度の検討を始めました。

新たな育成就労制度で変わる点について

制度の目的

育成就労制度の目的は、「人材育成人材確保」になります。

前述したとおり、技能実習制度では、「人材育成を通じた技能移転による国際貢献」という制度目的と、「経済社会の担い手、国内の企業等の貴重な労働力」という運用実態がかい離していたことから、人材確保という点も制度目的とされました。

また、原則3年間の就労を通じて、特定技能1号水準の人材を育成するとし、人材育成により特定技能への円滑な移行を図ります。
このように、育成就労制度は、特定技能1号水準の人材を育成する制度であることが明確化されました。

1号特定技能外国人について

転籍が可能になる

技能実習制度では、技能実習生が職場を変える「転籍」を原則として認めていませんでした。
これに対して、新制度では、「やむを得ない事情がある場合」の転籍の範囲を拡大・明確化するとともに、手続を柔軟にしました。

3年間一つの受入れ機関での就労が効果的であり望ましいものの、以下を要件に、同一業務区分内での本人意向による転籍が認められます。

  • 同一機関での就労が1~2年(分野ごとに設定 )を超えている
    ※人材育成の観点から 1 年とすることを目指しつつも、 1 年を超える場合、1年経過後は、昇給その他待遇の向上等を図る仕組みを検討する。
  • 技能検定試験基礎級等 及び一定水準以上の日本語能力に係る試験への合格
  • 転籍先が、適切と認められる一定の要件を満たす。

転籍に伴う人材流出等への受入れ機関の懸念への配慮

  • 転籍の際、転籍前の受入れ機関が負担した初期費用等について、正当な補塡がなされるようにします。
  • 分野別協議会による過度の引き抜き防止のための取組みを促進します。

日本語能力の向上に対する支援体制の強化

技能実習制度では、日本語能力に関して決められた水準がありませんでしたので、就労後にコミュニケーション面で問題が生じるケースがありました。

育成就労制度では、就労開始前までに「日本語能力A1相当以上の試験(日本語能力試験N5など)に合格する」または「それ相当の日本語講習を受講する」ことが要件となります。
また、受入れ機関が日本語教育支援に積極的に取り組むためのインセンティブとなる優良な受入れ機関の認定要件等を設けることになりますので、就労開始後も日本語教育の強化・協力体制が期待されます。

関係機関の要件等を適正化

外国人の受け入れ仲介や企業などの監督を担う「監理団体」は、「監理支援機関」に名称変更され、外部監査人の設置義務付けなどによって、独立性・中立性が高められます。

また、「外国人技能実習機構」は、「外国人育成就労機構」に改組され、特定技能外国人への相談援助業務も行い、支援・保護機能等を強化されます。

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