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特定技能外国人の受入れ機関が行う届出について解説

特定技能所属機関の届出アイキャッチ

特定技能外国人の受入れ機関(以下、特定技能所属機関)は、外国人の受け入れ後も出入国管理及び難民認定法(入管法)に基づく様々な届出を行うことが義務付けられています。
これらの届出を怠ると処罰対象になり、場合によっては、引き続き特定技能外国人を受け入れることができなくなる可能性もありますので、届出の種類を把握しておく必要があります。

この記事では、特定技能所属機関が行うべき届出について解説します。
特定技能所属機関が行うべき届出の種類は、「随時届出」と「定期届出」に大別できます。

特定技能外国人の受入れ機関とは

(参考)特定技能所属機関・登録支援機関による届出

出入国在留管理庁
受入れ機関が行う届出
INDEX

随時届出

随時届出とは、届出の事由が生じた日から14日以内に行うものです。
届出の種類は、以下のとおりになります。

特定技能雇用契約に係る届出書

特定技能外国人との間で締結している特定技能雇用契約の内容に変更終了もしくは新たな締結がある場合に届け出ます。

特定技能雇用契約の変更に係る届出書

特定技能雇用契約に変更がある場合、その旨を届出なければなりません。
特定技能雇用契約が適切なものであるかは、特定技能の在留資格にとって非常に重要な項目です。
契約内容の変更が有効であるかどうか等を検証し、届出を行いましょう。

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変更項目詳細
雇用契約期間雇用期間、契約更新の有無
就業場所雇用形態(直接雇用又は派遣雇用)、派遣先の氏名又は名称、事業所名、所在地、就労(作業)場所
従事する業務の内容分野、業務区分
労働時間始業、終業の時刻、休憩時間、所定労働時間数、所定労働日数、所定時間外労働の有無
休日定例日、非定例日
休暇年次有給休暇、その他休暇
賃金基本賃金、諸手当、割増賃金率、賃金締切日、賃金支払日、賃金支払い方法、労使協定に基づく賃金支払時の控除、賞与、退職金、休業手当
退職に関する事項自己都合退職の手続、解雇事由及び手続
その他社会保険・労働保険の加入条件、健康診断、帰国担保措置

特定技能雇用契約の終了に係る届出

特定技能雇用契約が終了した場合、その旨を届出なければなりません。

契約終了の事由が「雇用契約の終期到来」以外の場合で、受入れ困難に係る届出をあらかじめ提出していない場合は、併せて提出する必要があります。
 まだ契約を終了していない場合には、受入れ困難に係る届出のみをあらかじめ提出します。

また、特定技能外国人が退職し、支援計画に記載していた1号特定技能外国人の人数に変更があった場合には、本届出書に加えて、支援計画変更に係る届出も届け出る必要があります。

特定技能雇用契約の締結に係る届出書

新たな契約締結と記載されていますが、新規で特定技能外国人を採用したときに届け出るものではありません

届出が発生する例としては、特定技能外国人が自らの意思で退職し、雇用契約終了の届出が提出された後で、転職先が決まらない等の理由で、在留期間中に前職に戻ってくる事になり、再度雇用契約を締結した場合等です。
あまり発生しない事例なので見落としがちですが、このような手続もあるんだと理解しておくようにしましょう。

支援計画変更に係る届出

1号特定技能外国人を受け入れている場合で、支援計画に変更が生じた場合に届け出ます。
支援計画が適正なものであるかどうかは特定技能の在留資格にとって非常に重要な項目です。

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変更項目詳細
支援対象者の情報氏名、性別、生年月日、国籍・地域
特定技能所属機関の情報氏名又は名称、住所、法人番号、支援責任者の氏名又は役職、支援を行っている外国人の人数、支援担当者数
登録支援機関の情報氏名又は名称、住所、法人番号、支援責任者の氏名又は役職、支援を行っている外国人の人数、支援担当者数、代表者の氏名、支援を行う事務所の所在地
支援の内容支援計画に記載した支援内容の変更

支援委託契約に係る届出書

登録支援機関に支援計画の全部を委託している場合で、支援委託契約の締結、変更、終了があった場合に必要な届出です。
受入れ機関が自社の責任で支援している場合で、その一部を登録支援機関に委託している場合は届出不要です。

支援委託契約の締結に係る届出書

登録支援機関と支援計画の全てについて、支援委託契約を新たに締結した場合に必要な届出です。

支援委託契約の変更に係る届出書

支援委託契約を変更する場合に届け出ます。

変更内容

  • 支援業務内容
  • 委託料
  • 費用の負担
  • 実施状況の報告
  • 契約期間等
  • 契約解除

支援委託契約の終了に係る届出書

登録支援機関との支援委託契約を終了する場合に届け出る必要があります。
自社が受入れ機関の要件を満たした状態で自社支援するか、新たに登録支援機関と支援委託契約を締結しない限り、1号特定技能外国人を雇用することはできない事に留意しておきましょう。

受入れ困難に係る届出書

受け入れが困難となった場合とは、特定技能外国人本人による都合と、受入れ機関の都合があります。
それぞれの事由があった場合に届け出が必要になります。

特定技能外国人の都合で受入れが困難となる場合の

本人の死亡、病気や怪我、行方不明、重責解雇、自己都合退職等

受け入れが困難という言葉に当てはまらないように感じるかもしれませんが、外国人が本人の都合で転職を希望する場合や母国へ完全帰国する等も該当します。
これらの事由が発生した場合にも届出を忘れないようにしましょう。

実際に特定技能外国人が退職するか否かに関わらず、受入れ継続が困難となった時点での届出が必要になります。
特定技能外国人から退職したい旨の申出があった場合、実際に退職した日ではなく、申出があった日から14日以内に届出を提出しなければならないことにご注意ください。

受入機関の都合で受入れが困難となる場合の例

経営上の都合、特定技能所属機関の基準不適合、個人事業主の死亡等

受入れ機関側の都合で特定技能の活動が不可能になってしまった場合には、その事実と対応策を届け出る必要があります。
特定技能外国人が活動を継続したい場合には転職の支援を行う等、必要な措置を取るようにします。

出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為(不正行為)に係る届出書

受入れ機関は、自社で雇用している特定技能外国人について、入管法や労働法等に関する不正行為を認知した場合には、その旨を届け出なければなりません。
不正行為の類型は、以下が挙げられます。

  • 外国人に対して暴行し、脅迫又は監禁する行為
  • 外国人の旅券又は在留カードを取り上げる行為
  • 外国人に支給する手当又は報酬の一部又は全部の不払い
  • 外国人の外出その他私生活の自由を不当に制限する行為

受入れ機関又は登録支援機関が、1号特定技能外国人の支援として行う定期面談等で、上記のような不正行為を知ったときは、その不正を改善するとともに、関係する行政機関へ報告する等必要な措置を講じた上で、その結果を速やかに出入国在留管理局(入管)へ届け出なければなりません。

定期届出

四半期ごとに届け出ることが義務付けられているものです
届出は、四半期を下記の区分に分け、届出に該当する四半期の「翌四半期の初日」から14日以内に行う必要があります。
この届出期間を経過した後に届出を行う場合には、届出が遅延した理由について陳述書の提出が求められます。

区分該当期間
第1四半期1月1日~3月31日
第2四半期4月1日~6月30日
第3四半期7月1日~9月30日
第4四半期10月1日~12月31日

特定技能所属機関による受入れ・活動状況に係る届出

特定技能所属機関は四半期ごとに、出入国在留管理局(入管)に対して、特定技能所属機関による受入れ・活動状況に係る届出を届け出なければなりません。
具体的な記載内容については下記のとおりです。

  • 届出の対象となる期間内に受け入れていた特定技能外国人の総数
  • 届出に係る特定技能外国人の氏名、生年月日、性別、国籍・地域、住居地及び在留カードの番号
  • 届出に係る特定技能外国人が特定技能の活動を行った日数、活動の場所及び従事した業務の内容
  • 届出に係る特定技能外国人が派遣労働者等である場合、派遣先の氏名又は名称及び住所
  • 特定技能外国人及び当該特定技能外国人の報酬を決定するに当たって比較対象者とした従業員に対する報酬の支払状況
  • 所属する従業員の数、特定技能外国人と同一の業務に従事する者の新規雇用者数、離職者数、行方不明者数及びそれらの日本人及び外国人の別
  •  健康保険、厚生年金保険及び雇用保険に係る適用の状況並びに労働者災害補償保険の適用の手続に係る状況
  • 特定技能外国人の安全衛生に関する状況
  •  特定技能外国人の受入れに要した費用の額及びその内訳

実施状況に係る届出

特定技能所属機関は四半期ごとに、出入国在留管理局(入管)に対して、実施状況に係る届出を届出なければなりません。
この際に下記のとおり追加で書類の提出が場合があります。

提出書類提出が必要な事由
相談記録書「相談・苦情対応」について、相談・苦情があった場合
定期面談報告書当該四半期中に適期面談を実施した場合
転職支援実施報告書「非自発的離職時の転職支援」について、転職支援を実施した場合
支援未実施に係る理由書1号特定技能外国人支援計画において当該四半期中に実施予定となっている支援について、実施していない支援がある場合

登録支援機関に支援の全部を委託している場合は本届出の提出は不要です。
登録支援機関が責任をもって届け出る必要があります。

特定技能外国人の諸手続でお困りのときは

特定技能制度は、人手不足を解消するための重要な手段の一つになっており、労働環境や待遇を整えて優秀な特定技能外国人を採用できれば、事業の安定的運営につながります。画期的な制度である一方で、法律の遵守や、制度理解の徹底を行わないと、知らないうちに違反を犯してしまう可能性もある、複雑な制度でもあります。
特定技能外国人の受入れを始めたばかりの事業者様におかれましては、専門家の助言を受けながら運営していくことをオススメします。

行政書士アット法務事務所は、特定技能制度全般のサポートを行っておりますので、特定技能外国人の受け入れを検討や運用についてお困りの事業者様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

お早めに専門家にご相談ください

人材不足により、特定技能外国人の雇用に踏み切ることは事業者様にとっても大きな決断となります。
自社にとって本当に最適な選択なのか、そもそも検討している業務で特定技能外国人を雇用することは可能なのか等、不安や疑問な点もあることかと思います。
行政書士アット法務事務所では受け入れを検討する段階から、事業者様にとって最適な決断をするためのサポートを行っております。
まずはお気軽にお問い合わせください。

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