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特定技能「造船・船用工業」で外国人を受け入れるための基礎知識

特定技能「造船・船用工業」イメージ

慢性的な人手不足から、現場の人材確保のために特定技能外国人の採用を検討されている事業者は年々増加しています。
この記事では、特定技能「造船・船用工業」で外国人の雇用を検討されている事業者様へ、制度概要や雇用の流れ等について解説していきます。

(参考)国土交通省:造船・舶用工業分野における新たな外国人材の受入れ(在留資格「特定技能」)

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特定技能「造船・船用工業」で可能な業務内容とは

特定技能「造船・船用工業」イメージ画像

特定技能「造船・船用工業」で認められる業務の内容は、「造船」、「船用機械」、「船用電気電子機器」の3区分に分かれます。

この特定技能「造船・船用工業」で認められる業務は、6の業務区分に分けて運用されてきましたが、令和6年3月29日の閣議決定により、業務区分を「造船」、「船用機械」、「船用電気電子機器」の3区分に統合して、業務範囲が拡大されました。
国土交通省:造船・船用工業分野における業務区分再編について

1号特定技能外国人が従事する業務内容

1号特定技能外国人は、試験等で確認された技能を用いて、以下の業務を行うことができます。

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区分業務内容
造船監督者の指示を理解し、又は自らの判断により船舶の製造工程の作業に従事
船用機械監督者の指示を理解し、又は自らの判断により船用機械の製造工程の作業に従事
船用電気電子機器監督者の指示を理解し、又は自らの判断により船舶電気電子機器の製造工程の作業に従事

2号特定技能外国人が従事する業務内容

2号特定技能外国人は、試験等で確認された技能を用いて、下記の業務を行うことができます。

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区分業務内容
造船複数の作業員を指揮・命令・管理しながら、船舶の製造工程の作業に従事
船用機械複数の作業員を指揮・命令・管理しながら、船用機械の製造工程の作業に従事
船用電気電子機器複数の作業員を指揮・命令・管理しながら、船舶電気電子機器の製造工程の作業に従事

区分ごとの業務範囲

特定技能「造船・船用工業」では、それぞれの区分ごとに従事可能な業務範囲が定められています。
これらの区分は作業の性質に基づいた分類であり、作業現場の種類による分類ではありません。
したがって、作業の性質が区分内であれば、どの現場で作業しても問題ありません。

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区分区分ごとの従事可能な業務範囲
造船溶接、塗装、鉄工、とび、配管、船舶加工等の船舶の製造工程において必要な各種作業
船用機械溶接、塗装、鉄工、仕上げ、機械加工、配管、鋳造、金属プレス加工、強化プラスチック成形、機械保全、船舶用機械加工等の船用機械の製造工程において必要な各種作業
船用電気電子機器機械加工、電気機器組立て、金属プレス加工、電子機器組立て、プリント配線板製造、配管、機械保全、船用電気電子機器加工といった船用電気電子機器の製造工程において必要な各種作業

関連業務について

上記の業務内容を主たる業務としている場合で、その事業所で従事している日本人が通常従事しているような関連業務には、付随的に従事することができます。
ただし、あくまでも付随業務であり、主に従事することができるわけではありません。

付随業務例

  • 読図作業
  • 作業工程管理
  • 検査(外観、寸法、材質、強度、非破壊、耐圧機密等)
  • 機器・装置・工具の保守管理
  • 機器・装置・運搬機の運転
  • 資材の材料管理・配置
  • 部品・製品の養生
  • 足場の組立て・解体
  • 廃材処理
  • 梱包・出荷
  • 資材・部品・製品の運搬
  • 入出渠
  • 清掃

特定技能「造船・船用工業」で外国人を雇用するには

特定技能「造船・船用工業」で外国人を受け入れるための要件は以下のとおりです。

外国人本人が満たすべき要件

1号特定技能外国人

特定技能1号の在留資格で受け入れる外国人は、技能試験と日本語試験に合格する必要があります。

また、当該分野の第2号技能実習を良好に修了した者は、特定技能1号に移行することができ、上記の試験が免除されます。

当該分野以外の技能実習2号を良好に修了した者については 、国際交流基金日本語基礎テスト及び日本語能力試験(N4以上)のいずれも免除されますが 、技能試験は免除されません。

2号特定技能外国人

特定技能2号の在留資格で受け入れる外国人は、技能試験の合格に加えて、監督者として 複数の作業員を指揮・命令・管理しながら、造船・舶用工業における業務に 2年以上 従事した実務経験が必要となります。

試験内容

特定技能1号特定技能2号
技能試験造船・舶用工業分野特定技能1号試験、又は、技能検定3級造船・舶用工業分野特定技能2号試験、又は、技能検定1級
日本語試験
  1. 「国際交流基金日本語基礎テスト」又は「日本語能力試験(N4以上)」
  2. そのほか、「日本語教育の参照枠」のA2相当以上の水準と認められるもの
なし

受け入れ側の事業者が満たすべき要件

受け入れ側の事業者は、特定技能の受入れ機関として、以下の要件に適合する必要があります。

すべての特定技能分野の事業者に共通する要件

すべての特定技能分野の事業者に共通する基準が以下になります。

  • 外国人と結ぶ雇用契約が適切であること
  • 受入れ機関自体が適切であること
  • 外国人を支援する体制があること
  • 外国人を支援する計画が適切であること

この基準について詳しくは、 こちら をご参照ください。

造船・船用工業特有の事業者が満たすべき要件

さらに、上記の基準に加えて、建設分野特有の事業者が満たすべき要件として以下が挙げられます。

造船・船舶工業分野に係る事業を営む者であること

1号特定技能外国人を受け入れる事業者は、造船法 第6条第1項の事業を営む者、小型船造船業法 第2条第1項に規定する小型船造船業を営む者その他の造船・舶用工業分野に係る事業を営む者であることが求められます。

造船・船舶工業分野に係る特定技能協議会へ加入し、必要な協力を行うこと

特定技能外国人を受け入れる事業者は、国土交通省が設置する介護分野における特定技能外国人の受け入れに関する協議会の構成員となることが求められます。
協議会への加入は、初めて受け入れる特定技能外国人が入国してから4ヶ月以内に加入しなければなりません。
加入後は適宜必要な協力を行う必要があります。

造船・船舶工業における特定技能協議会

協議会への加入や必要な協力を怠ると在留資格の要件を満たさなくなり、外国人の受け入れができなくなる可能性があるので、必ず行うようにしましょう。

国土交通省が行う調査又は指導に対し、必要な協力を行うこと

受入れ機関である事業者は、国土交通省が行うその他の調査・指導に協力することが求められ、この調査・指導に対して協力を行わない場合には、基準に適合しないことから、特定技能外国人の受入れはできないこととなります。

特定技能「造船・船舶工業分野」で外国人の受入れを検討されているときは

造船・船舶工業分野は慢性的な人手不足に陥っており、現場の人材確保のために特定技能外国人の採用を検討されている事業者様は年々増加しています。
特定技能制度は、造船・船舶工業の人手不足を解消するための重要な手段の一つになっています。
労働環境や、待遇を整え、優秀な特定技能外国人を採用できれば、事業の安定的運営につながると思います。

行政書士アット法務事務所は、特定技能ビザ申請のサポートを行っておりますので、特定技能外国人の受け入れを検討されている事業者様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

お早めに専門家にご相談ください

人材不足により、特定技能外国人の雇用に踏み切ることは事業者様にとっても大きな決断となります。
自社にとって本当に最適な選択なのか、そもそも検討している業務で特定技能外国人を雇用することは可能なのか等、不安や疑問な点もあることかと思います。
行政書士アット法務事務所では受け入れを検討する段階から、事業者様にとって最適な決断をするためのサポートを行っております。
まずはお気軽にお問い合わせください。

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